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ジョコビッチのプロ意識と食生活に対する意識の高さが凄い!! [本]

グルテンフリーの正体は糖質制限だった


ジョコビッチの生まれ変わる食事先日病院で受けた「MAST36」というアレルギーの血液検査の結果、小麦、乳製品、卵に食物アレルギーを持っていることが分かり、ショックを受けたというエントリーを書きましたが、その時に取り上げたテニスのジョコビッチ選手が提唱する「グルテン(小麦)フリー」の食生活に興味を持ち、巷で話題の「ジョコビッチの生まれ変わる食事」を読んでみました。本の内容を簡潔にまとめるとプロテニスプレーヤーとして”そこそこ良い選手”だったジョコビッチ選手が”世界トップクラスの選手”になる為に必要だったのは、これまで培ってきた高いプロ意識に加えて”自分の体(体質)にあった食生活”だった、という物でした。

まず、この本を万人向けダイエット本として読むのはNGです。その理由は

  1. パンやパスタ等小麦製品を主食とする欧米諸国の食生活が前提に書かれているので、ご飯(米)を主食とする日本人の食生活とは前提の部分で大きな違いがある。
  2. グルテン(小麦)不耐症なら「グルテンフリー」で大きな成果を得られますが、グルテンに対して何の問題がない人にはグルテンを制限しても効果はない。

よって、もし貴方がグルテン不耐症体質(病院で簡単な血液検査で分かります)で小麦製品主体の西洋式食生活を送っているならば素晴らしい効果を実感できますが、ランチは定食で夜も白米という食生活では本に書かれているような残念ながら美容と健康効果は期待できないでしょう。

ですが、ちゃんと内容をしっかりと読み進めて行くとグルテン不耐症ではない人達に向けた食生活のアドバイスと提言がまとめられていました。それが、

糖質(炭水化物)の過剰摂取を制限した食生活

です。炭水化物(主食)を摂取すると血糖値が上がり、血糖値をコントロールするインスリン/インシュリンが分泌されます。インスリンによって血糖(ブドウ糖/グルコース)はエネルギー源として体内の筋肉や脂肪に吸収・蓄積されますが、インスリンが貯め込んだ以上に消費をしないと太ってしまいます。また血糖値の急降下によって食欲が刺激され食欲のコントロールが効かなくなります。この本では過剰なインスリンの分泌を防ぐ=高炭水化物の食品は避けることを推奨しています。この理論はライザップでお馴染みの糖質制限ダイエットと全く一緒ですね(苦笑)。しかも生活習慣病の筆頭2型糖尿病予防にもなります。

ここで糖尿病に関して超簡単にまとめます。日本人の糖尿病患者の大半を占める2型糖尿病は日本人特有の体質(インスリンの分泌量が少ない)にも関わらず、欧米化した食生活によって炭水化物(糖質)摂取が増えてしまい、もともと持っているインスリンのキャパシティを越えてしまった時に発症します。欧米人は日本人の倍以上のインスリンを分泌することが出来るらしいので、その人達と同じ糖質を摂取してたらインスリンを分泌する膵臓がギブアップするのも納得です。そこで糖尿病患者さんに推奨されているのが血糖値を上げる炭水化物やカロリーの過剰摂取を控えるという食事療法と足りないインスリンを補うための注射です。


増補新版 食品別糖質量ハンドブック人間が持つこの仕組みを活用し、血糖値を急激に上昇される食品を控えるダイエット方法が少し前にブームになった「低GIダイエット」です(懐かしい)。GIとはグリセミック指数のことで、それぞれの食品が持つ血糖値を上げるパワーを数字化したものです。数値が大きい食品程、食後の血糖値上昇が激しいことを示しています。日本では正式には採用されていませんがアメリカでは長い歴史があり、WHOからも「過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを、低GI食品が低減させる可能性がある」というレポートが出ています。ということで、本格的に健康的な食生活をしたいと考える場合、まず1番最初にやるべきことは食品のGI値を知ることです。ここで登場するのが糖尿病患者さんのお宅に必ず1冊はあると言われている「食品別糖質量ハンドブック」です!何も高いダイエットのハウツー本を買うよりも、この1,000円でおつりがくる本1冊あればOKということです。我が家も弟君がゴールドジムで紹介されたそうで1冊あります。

ジョコビッチ選手はグルテン(小麦食品)、炭水化物、乳製品をカットしているので本の後半に紹介されるレシピや食事内容は極めてシンプルです。良質な野菜や肉、魚介類等が主体で専属のコックさんが準備をしてくれますが、一般人には真似できるものではありませんでした(汗)。一応私も食物アレルギー持ちとしてジョコビッチ選手の足元にも及びませんが細やかな食事制限を設けようかなと思います。結局健康な食生活やダイエットって医療に行きつくんですね。

話は脱線しましたが、この「ジョコビッチの生まれ変わる食事」は彼の戦場で育った生い立ちから食事、睡眠、トレーニングにメンタルの持ち方等トップアスリートとしてストイックな日常生活が分かる内容で興味深かったです。2016年のリオオリンピックでは”超迷惑ノーシード最強男”ことデルポトロ選手に初戦敗退と残念な結果になってしまいましたが、全米オープンではその鬱憤を爆発させる活躍を見せてくれると思います。デルポトロのフォアから発射されるミサイルは防ぎようがないからしょうがない(デルポトロ選手にはさっさとシード権を獲得してトーナメント荒らしを止めてくれ:絶叫)!!

ジョコビッチの生まれ変わる食事

ジョコビッチの生まれ変わる食事

  • 作者: ノバク・ジョコビッチ
  • 出版社/メーカー: 三五館
  • 発売日: 2015/03/21
  • メディア: 単行本

増補新版 食品別糖質量ハンドブック

増補新版 食品別糖質量ハンドブック

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2016/06/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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