芽吹きの時期にやりたいバラのお手入れ [ガーデニング]
芽掻きとメネデールで土台作り
バラの芽が動き出し、世のバラを愛するロザリアンにとって忙しくなるシーズンの到来です。この芽吹きの時期にやっておきたいバラのお手入れをご紹介したいと思います。これまでのバラを育ててきた経験から簡単に出来て、春の花の時期に大きな差が出る大切なお手入れなので、ぜひバラを育てている方、特に初心者の方はやってみてくださいね。
芽が動き出した時にまずやらなくてはいけないことは「芽掻き」です。芽掻きとはこれから立派に育つだろう優良な芽を選んで育ちの悪い芽をかきとる作業です。具体的な作業は下の写真で説明します。
ルージュ様
ルージュ・ピエール・ドゥ・ロンサールの枝に同じ場所から芽が2つ出ています。このままでは栄養が分散してしまって春の花が貧弱になってしまいます。これからしっかりと成長させるためにも心を鬼にしてどちらかの芽1つだけを選んで、もう一つを取ってしまします。成長具合に差がある場合は良く育っている方を残しますが、今回の芽は2つとも同じ位の成長具合なのでどちらを選んでも大丈夫です。芽が成長した時にどのように枝が伸びるかを想像してみて、他の枝と重なったり邪魔にならない方を残します。
芽を掻いた後
この枝の画面向かって左側には立派な枝(シュート)があるのですが、右側にはそんなに枝がなく空間が広がっています。今回はそちら側に伸びる方が光と風をふんだんに受けることで成長が見込めることから右の芽を活かして左の芽を掻きました。芽掻きのポイントは将来のバラの株の枝ぶりを決める基本になります。しっかりとイメージして残す芽を選びましょう。
芽掻きの次に大切なのはこれからの成長の土台をしっかり作るための根っこの成長を助けることです。この芽吹きの段階でいきなり液体肥料を使っても余り効果がないので、液体肥料を投入するのはもう少し待って、この段階では植物の活力剤を投入しましょう。植物の活力剤と言えば「メネデール」です。夏場、特に肥料負けする盛夏の時期と今の成長が始まったばかりのシーズン、そして冬の植え替えの時期に使うので液体肥料同様1本あると便利です。このメネデールをしっかりと与えておくと根張りが良くなりがっしりした株に育ちます。植物は根がしっかり張らないと成長が期待できません。なのでこれからしっかりした株に育てる為にも活力剤をあげましょう。
そして最後にちょっと上級編のお手入れをご紹介。剪定をした枝は植物の原理原則である「頂点優勢」という一番上の芽に栄養が行き一番育ちます。ですが中には1番上の芽よりもその下の芽の方が成長具合が良い場合があります。これは植物が自分自身で1番上の芽よりも2番目を成長させた方が株の為になると判断した結果です。こういった場合は、バラが自分で選んだ芽の上で切ってしまいましょう。ちょうどこの現象が起きている枝があったので写真でご紹介しますね。
一番上の芽よりも番目の方が成長している
この場合、青の直線(2つ目の芽の上)で切り落とします。冬の選定は株のバランスを見ながら扇形になるように剪定しますが、春になって実際の成長が始まった段階で最後の剪定の仕上げをするのが大切です。貧弱な枝をそのまま伸ばしても良い花は付きませんし、こういったちょっと将来が見込めない枝を見つけたら、ポテンシャルがある芽まで切り戻しましょう。この見極めが出来るようになると春の花付きが変わってきて、更にバラの魅力にはまっていきます(笑)
今回は芽が動き出した時にしたいお手入れをご紹介しました。手入れの時期の目安は2月の下旬から3月の上旬です。お住まいの地域によって変わってきますが、バラの様子を見ながらお手入れしてあげて下さい。芽掻きは急ぐ必要はありません。もし自分で見極めるのが難しいと感じた場合は1週間ほど成長の具合を見守って、どの芽を残すのかじっくり考えると良いですよ。今年も美しい花を沢山咲かせることが出来るように頑張りましょう!
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