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アンネ・フランクの家-ベネルクス旅行記 [ベネルクス旅行記_2007]

全ての人が行くべき場所、見るべきもの、感じるべきもの

アムステルダムを訪れる全ての人が訪ねる場所、それが「アンネ・フランクの家」です。彼女が書き綴った隠れ家での2年間の日記は、「アンネの日記」として世界中で出版され、戦争の悲劇を今に伝えています。

第二次世界大戦中、中立国オランダに、フランク一家がドイツ・フランクフルトから逃れ、1944年夏にゲシュタポ(ナチス・ドイツ政治警察)に発見されるまでの2年間を過ごしたのが、現在「アンネ・フランクの家」として公開されているこの場所です。

 アンネ・フランクの家

ここでは、一家が暮らした建物裏側へと抜ける「回転本棚」や、アンネが使っていた部屋など、日記の中に登場する場所を実際に見て歩くことが出来ます。実際の隠れ家はイメージしていたよりもずっと広く、いささか驚きましたが、2年もの間、恐怖と隣りあわせで不自由な生活をしたフランク一家のことを考えると、胸が締め付けられる思いです。アンネの部屋の壁には少しでも部屋を明るく飾ろうと、映画俳優のポスターやプロマイドなどが貼られていたりするのですが、それを見ると、ただただ戦争のむなしさ、悲しさが込み上げてくるばかりです。

 資料やチケット

この「アンネ・フランクの家」のように、また広島の「原爆ドーム」のように、戦争がもたらす悲劇を、真正面から考える場所、そして機会って本当に少ないですよね。私が住んでいるイギリスは、イラクやアフガニスタンに派兵をしている国であり、毎日テレビで兵士の戦死のニュースが流れてます。日本に住んでいる頃は、全く想像できなかったことですが、「今でも戦争で毎日人が死んでいっている」という事実を、そして「戦争」というものを身近に感じるのです。

「戦争は必要悪」だ、という意見もあると思います。私はこの考えも事実だと思います。でも、今この地球上で行われている戦争全てが、本当に「必要悪」でしょうか?

日本という国が辿ってきた歴史を顧みた時、未だに世界中から「お財布扱い」しかされていない日本を、とても歯がゆく思います(我々日本人の想像以上に、そう思われています)。日本にしか発言できない、過去の経験を踏まえた意見を提案し、世界平和に向かってもっと積極的に関わっていくことが出来るはずだと、私は思うんです・・・。日本が東南アジアにあると思っているようなイギリスのティーンでさへ、「広島・長崎」の名前は、戦争の悲劇の代表として「アンネの日記」以上に認識されているんですよ。友人達に「どうして日本はもっと積極的に関わっていかないの?十分世界を動かすだけの力を持っているのに勿体無いよ」と聞かれる度に、いつもどう返答するか迷います。

私は日本人であることを誇りに感じていますし、日本という国が大好きなので、「お金も払うけど、発言もする」そんな存在感のある国になって欲しいと心から思います・・・出来れば、そんな遠くない未来に。

すいません、ちょっと内容が重くなってしまいました!!常に入場待ちの長い行列が出来るこの「アンネ・フランクの家」。私は午後5時ごろに行ったのですが、土曜日と曜日が悪く15分近く雨の中並ぶことになりました。なお、平日の午後5時以降は、並ぶことなく入れることが多いそうなので、お出かけの際には是非参考にしてください。


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大井sigeki

うーん、明媚たるasさんの旅情日記に、俺のようなチンピラが発言してお茶を濁してしまうのはハナハダ無粋と感じ発言は控えていましたが、さすがに我慢できずにコメントに参加です。アンネ・フランクという女性のことを知り、いつも考えてしまうのは彼女ほど「精一杯生きることの出来ない人間の不幸」を感じずには入れれないのです。人間がどうしても必要なものに水や空気、塩、食物などの他に「自由」と言うものがあります。だが彼女は生きるためにその「自由」を奪われ隠し扉の向こうの部屋で、「生きる」事を余儀なくされます。生きるという当たり前のことが難しいユダヤの民、戦争、そして死・・・彼女はただ憧れた自由を得ることなく若い身空で、ガス室の煙と消えてゆきます。主義が、戦争が、偏見が、政策が、時代がそして人間が、あたりまえの自由を求めた彼女を精神と肉体を八つ裂きにしたのです。
戦争は必要悪などではなく、必要としている人間が居るというだけなのです。それはおそらく全地球を飲み込むほどの「人間の欲望」です。「世界の現金ディスペンサー」と揶揄される日本。でもそれは裏を返せば実は暗愚なフリをして巧妙に立ち回り莫大なカネを世界から掻き集める日本と言う欲望の強い国の才能でも有るのです。そこに発言力や主義主張は必要ではないのです。
原爆について語れば、兄貴国家がいい顔しない。アジア発言すれば日本嫌いの3国が国交を拒む(そうすれば日本は安い労働力と資源を無くしてしまいます)国家威信発言はびた一文徳にはならないのを、この国の首脳は判っているのです。吹けば飛ぶような今の俺たちはどこへ流されたって、アンネと同じように主義や、戦争、偏見、政策、そして時代に八つ裂きにされる可能性があるのです。アンネが求めた心の「自由」も、ひょっとしたら彼女と同じように得ることが出来ない世界に俺たちはまだ居るのかもしれないと思うのです。・・・やべぇ~長々書きすぎてしまった。(笑)どうせならasさんにはポーランドへ行って「ヤヌシュ・コルチャック先生」について取材して欲しいナァ

P・Sヨーロッパ旅情なのに
どうしてイタリアへは行かないんですかね?
イタリアンレッドのフェラーリのモデナ工場ととキャサリン・ヘップバーンのような恋が待ってれやも知れぬのに。「旅情」だけに(笑)
by 大井sigeki (2007-10-18 00:58) 

as

>トールバズさん、ようこそ!!熱いコメントありがとうございます。長いだなんて気にせず、いつでも率直なコメントを頂けると、私も嬉しいです。元々この記事を書いたのも、こういうことを考えてもらえるきっかけになればと思ってのことなので、トールバズさんのように、しっかりとした意見を聞くことが出来るだけでも、すっごく嬉しいんですよ!!

イタリアは、大学生の頃に数回行っているので、どうしても後回しになってしまうんですよね(苦笑)イタリアに行く度に、「旅情」のような恋を期待したのですが、全くそれらしい片鱗すらありませんでしたよ・・・(涙)ポーランドかぁ、うーん良いかも、早速次の旅行先の候補に入れておきますね!!
by as (2007-10-18 21:35) 

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