チェロの新約聖書・ベートヴェン「チェロソナタ集」 [音楽]
チェロの新約聖書の決定版はどっちだ!?
今日は朝から雨。ガーデニングはお休みにしてクラシックネタを久々に。私は大のチェロ好きです。聞いていて安心出来る、心に沁みこんでくる音でとても心地よく感じます。そんなチェロの世界で有名な曲と言えば誰もが思い浮かべるのが”音楽の父”こと大バッハの無伴奏チェロ組曲だと思います。この一連の曲はチェロの神様ことカルザス様が単なる練習曲から芸術作品へと押し上げた作品で、今ではすっかりチェロの旧約聖書と呼ばれる程の定番になっています。そして旧約聖書があるなら新約聖書もあるのがチェロの世界。チェロの新約聖書はベートヴェンによるチェロソナタ集になります。曲を聞いてもピンとこないという人もいると思いますが、有名な曲ばかりなので、誰もが一度は聞いたことがある曲の構成になっています。
”チェロの貴公子”こと、フルニエとケンプバージョンでチェロソナタ第5番第1楽章をどうぞ!!
このチェロの新約聖書こと、ベートヴェンのチェロソナタ集は有名なチェリストが数多く録音を残しています。以前ご紹介した神様・カルザス様と四天王もそれぞれ個性を存分に感じさせるものばかりで、どれも甲乙がつけがたいものばかりです。そんなチェロソナタ集で”名盤”と誉れ高い録音をご紹介したいと思います。
2つのアルバムとも2枚組で、第1番から第5番まで収録されています。
両方ともチェロの四天王の作品で、左はロストロポーヴィチ(チェロ)とリヒテル(ピアノ)のバージョンで、ソナタ全集になります。一方の右のCDもチェロの四天王・フルニエ(チェロ)とケンプ(ピアノ)のコンビになります。そしてクラシック音楽ファンの中では、どちらのチェロソナタが秀でているか甲乙つけがたい傑作の2作品として燦然と輝いています。そして未だ答えが出ていません(苦笑)。
実力は折り紙つき、英国POPシンガー Olly Murs [音楽]
綺麗な高音とPOPSの王道を行く実力派シンガー、オリー・マーズ
最近何かと話題のイギリスのアイドルグループ「One Direction(ワン・ダイレクション)」と同じ”X Factor”出身のシンガーソングライターOlly Murs(オリー・マーズ)を紹介します。既にイギリスで成功し、今ではアメリカでも通じる実力派シンガーとして大活躍中ですが、本国では歌手活動にとどまらず、テレビ番組の司会やラジオのDJ等結構幅広く活躍していて、その実力をいかんなく発揮しています。
洋楽好きなのでオリー・マーズという名前や活躍はそれなりに知っていていたのですが、正直あまり触手が伸びなかったアーティストの一人。ですが、今日運転中にラジオから昨年リリースした3rdアルバム「Right Place Right Time」の収録曲「Troublemaker(トラブルメーカー)」が流れてきて、”これからの季節にピッタリの曲じゃない~♪”と思い、今さら感もありますが取り上げることにしました。YouTubeでPVをどうぞ!!
もともと私はメタルやハードロック等、結構ドンドン系のジャンルに偏っている為、あまりポップソングを聞かないのですが、この曲を初めて聞いた時は素直に気持ち良い楽曲だなと思いました。そして友人がアルバムを貸してくれて、聞いていくうちに結構中毒性になり今では私のiPodの中で最も再生回数が多いヘビロテ曲の一つです。
チェロの貴公子・フルニエのブラームス、チェロソナタを手に入れました!! [音楽]
タワレコさん、本当にありがとう!!
今日は久しぶりのクラシックネタでいこうと思います。というのも、実は私が一番好きなチェリスト、ピエール・フルニエによるブラームスのチェロソナタがタワーレコードで限定復活しているという情報を仕入れ、早速手に入れることに成功したのです。聞いてみたら、これまた素晴らしい。ちょっと興奮収まらない状態です(苦笑)。タワレコさん、ありがとう!!
表紙は御大ブラームスご本人ですよ!!
私はチェロの音色が好きで、手持ちのクラシックのCDでもチェロソナタやコンチェルトが結構多いです。そんなチェロ好きにとって、ピエール・フルニエのブラームスのチェロソナタは、伝説の1枚なんです。伝説の理由を説明する前に、先ずはフルニエをご紹介します。ピエール・フルニエはフランス生まれのチェリストで、優雅な物腰と上品で洗練された表現スタイルの演奏から「チェロの貴公子」と呼ばれています。フランス人で大の日本好き。日本人の弟子も数多くいます。
20世紀から現代に至るまでチェロの素晴らしい奏者が生まれていますが、20世紀のチェリストは1人の神様と四天王によって成立していたと言っても過言ではありません。神様は泣く子も黙るパブロ・カルザスカザルス様。この方によってバッハの無伴奏チェロ組曲を単なる練習曲から芸術作品として世に広められました。またチェロにおける新しい演奏法を生みだし、これまでのチェロの表現範囲を超えるハイレベルな技法として今ではカルザス様の演奏方法が主流となっています。他にも様々な伝説がある偉人ですが、何分19世紀に生を受けた方故、録音がモノラルでリマスタ版のCDでも残念なクオリティの物ばかりなのが悲しいところです。しかしながらその演奏は今でも多くのチェロファンに愛されています。
そして四天王は、シュタルケル、ロストロポーヴィチ、デュ・プレ、そして今回紹介するフルニエです。シュタルケルは7歳で音楽院の入学許可を貰い「カルザスの後継者」と言われた天才。ロストロポーヴィチはカルザス様の技術を体得し、超技巧とオーケストラにも引けをとらない程存在感ある音を出すチェリスト。そしてデュ・プレは美貌と情熱的な演奏で若くして有名になったものの約10年後病に倒れ、その死と激しい演奏で永遠の存在となりました。
ある程度下馬評通りの受賞結果になったグラミー賞 [音楽]
音楽の祭典、第55回グラミー賞発表です!!
毎年2月はアメリカで発表される音楽・映画の祭典が目白押しです。そんな華やかな音楽の祭典・第55回グラミー賞が発表になりました。昨年は発表前日に世紀の歌姫・ホイットニー・ヒューストンが他界するという悲しい出来事で祝典色は薄まりましたが、今年はその分も合わせて例年以上に華やかに行われました。メインの部門の結果をざっと下にまとめます。
<Album Of The Year/アルバム賞>
「バベル(Babel)」 --マムフォード&サンズ
<Record Of The Year/レコード賞>
「サムバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ ~失恋サムバディ(feat. キンブラ)(Somebody That I Used to Know)」 --ゴーティエ
<Song Of The Year/楽曲賞>
「We Are Young(伝説のヤングマン~ウィー・アー・ヤング~)」 --FUN.
<Best New Artist/新人賞>
FUN.
受賞結果は大方の予想通りですね。特に新人賞と楽曲賞でFUN.の受賞は誰もが納得の結果という感じでしょうか。私のiPodにもこの曲は現在進行形で大活躍しています。彼らの楽曲賞を獲った「We Are Young」は曲もそれなりに良いですが、なんといってもあの印象的なPVが受賞に大きな弾みをつけたと思います。スローモーションを大胆に使った映像は面白かったですし、歌詞の内容も失恋男の未練というかなんというか、今夜クラブで飲んで暴れるだけ暴れて帰れなくなったら家まで君を背負って連れて帰ってあげるよ、という優しさ。正に「We are young」な歌詞になっています(笑)。折角なのでYouTubeでPVをご覧ください。
FUN.は後に続く楽曲がどこまで伸びるか怪しかったですが、一応2曲目の「Some nights」もある程度ヒットし今年の活躍次第では若手アーティストの雄になれかどうかがある程度決まるかと思うので注目ですね。
疲れを癒してくれる夜JAZZ Night lights [音楽]
1月は決算締め後の事務処理やクレームやらでメチャクチャ忙しい一か月でした。そんなボロボロに消耗しきった夜に癒しを求めて聞いていたCDを今日はご紹介したいと思います。JAZZが好きな人なら必ず持っている定番中の定番、Gerry Mulligan(ジェリー・マリガン)の代表作「Night Lights(ナイト・ライト)」です。
今までblogでこのアルバムを紹介していなかったのが自分でもビックリなほどの超有名作です。ジャケットのデザインが全てを語っているように、このアルバムは都会の喧騒から少し離れながらも、その美しい光を眺めつつ癒されたいなと思う人にピッタリな一枚です。私が持っている全てのCDの中で、
夜が似合うアルバムの堂々ナンバー1です。
JAZZというと夜のイメージで、アート・ブレイキーやマイルス・デイビス、ビル・エヴァンス等、曲と演奏の存在感が圧倒的であるが故に”音楽を聴く”という姿勢や心構えが必要なアルバムが意外と多いなか、この「Night Lights」はBGMとして音量を低めにして流し、何かほかの事をしていても全く邪魔にならない、良い意味で空気の様な作品なんです。収録されている楽曲全てに癒し効果があって、本当にリラックスできるスムースジャズの傑作です。言葉でどんなに説明してもこの作品の良さを伝えることは不可能なので、このアルバムのタイトル曲「Night Lights」を是非お聞きください!!
私にとってはかなり珍しい女性ボーカルCD DES'REE [音楽]
ソウル系美&癒し系ヴォーカル Des'ree
年末の大掃除で恒例のCDラックの入れ替え作業中に懐かしいCDを一枚発掘しました。英国のシンガーソングライターDes'ree(デズリー)のアルバム「Supernatural」です。
このCDは個人的にとても思い入れのある一枚です。というのも、私が持っているCDでは女性ヴォーカル物のCDってすごく少ないんです。多分、好きな音楽のジャンルがメタルやハードロック系に偏っているため、どうしても男性ヴォーカルのCDが多くなりがちなんだと思います。でもクラシック系のアリアとかは圧倒的に女性物が多いんですよ。マリア・カラスやJAZZではサラ・ヴォーンとかたくさんあります。自分自身でも不思議な音楽の傾向だなと常日頃から思っています(苦笑)。
そんな私がちょくちょく引っ張り出してきては聞いているのが、このDes'reeの「Supernatural」です。多分10代や20代前半の若い人達は知らないと思いますが、Des'reeは1990年代に一世を風靡したメガヒットシンガーで、ソウルやレゲエをベースとしたキャッチーなメロディラインを持つ曲作りと、彼女独特の世界観の歌詞そして圧倒的な歌唱力から生み出されるスーパー癒し系ボイスで人の心の奥まで届く素晴らしい歌声で何曲もヒットを飛ばしました。最近は全く耳にする機会がなくなってしまっていたので、その存在をすっかり忘れていましたが久しぶりに聞く彼女独特の波の様にどこまでも広がる開放的な歌声は今聞いても最高です。特に低音の伸びは素晴らしく、低い音階をしっかりと出しながらも、しっとりとした滑らかな声を出せるのは天性の才能としか表現できません。少し癖のある歌い方なので好みはありますが、多分レゲエやヴォサノバ、ゴスペルを聞く人には最高に響く歌声の持ち主です。
そんな彼女の最大のヒット曲は「Life」です。20代後半以降の人なら一度は聞いたことがあるヒット曲です。しかしながら、私にとってのDes'reeの一番の曲はやはり映画「ロミオとジュリエット」の愛のテーマ「I'm kissing you」です。映画も素晴らしく、今でも大好きな映画の一つです(レビューはこちら)。最近はすっかり汚れ役も様になりだしたレオナルド・ディカプリオが美少年だった頃の最高に格好良いロミオと、純粋で穢れないクレア・デーンズのジュリエットでこちらの映画も一世を風靡しました。この映画の中で2人がパーティで出会い、恋に落ちるシーンでこの「I'm kissing you」をDes'ree本人が高らかにそして、彼らの恋の行方を暗示するかのように歌いあげるシーンがあるのですが、私個人的に凄く素敵なラブシーンンの一つだと思っています。
のびやかな声と広い音域が出るからこそ歌える曲です。
待望の2ndアルバムリリース!! 全米No.メロディーメーカーBruno Mars [音楽]
音楽の幅の広がりとサウンドで成長を感じさせます!!
アメリカのみならず世界中の音楽ファンから最も注目を集めているアーティストの一人、ブルーノ・マーズの待望のセカンドアルバムがリリースされました。私も昨年発表された彼のデビューアルバム「Doo-Wops & Hooligans」で彼の音楽とその世界観にすっかり虜となってしまい、今回のセカンドアルバムはそんな私にとっても待ちに待ったアルバムです。
今回リリースされたアルバムは「Unorthodox Jukebox - アンオーソドックス・ジュークボックス」のタイトルに「ジュークボックス」という言葉がある通り、アルバム全体にレトロ感が漂うものとなっています。収録曲全てにそのレトロ感が背骨としてあるので、幅広いジャンルの音楽が入っている割にはかなり上手くまとまった一枚だと思います。ネット上のレビューを見ているとこのレトロ感は「80年代風」らしいのですが、私はその世代の音楽を知らないこともあり、今回の作品は結構面白く新しくもどこか懐かしいアルバムだと感じます。
確かに前作に比べると2曲目に収録されている「Locked Out Of Heaven」以外、「Just The Way You Are」やスマッシュヒットソング「Grenade」の様なキャッチーな曲がないという指摘もありますが、長い目でヒットしそうな曲も数曲(「Young Girls」や「Gorilla」あたり)ありそうな気がしますし、ハズレ曲がないというだけでも大いに評価に値すると思います。一応、今全米のラジオで流れまくっている「Locked Out Of Heaven」のPV載せておきます。ブルーノの和みボイスに癒されてください。
前作はデビューアルバムということでセルフプロデュース作でしたが、今回は大物のプロデューサーを4人も招聘しています。ポップスからヒップポップ等、各ジャンルで成功しているプロデューサーを迎えることによって、ブルーノ・マーズの世界に新しい音楽の要素を入れ込んだことによって、前作に比べてかなり音楽の幅を広げることに成功しています。
パイプオルガンの世界を変える風雲児 - キャメロン・カーペンター [音楽]
天才か異端か!? パイプオルガンの鬼才に注目
私は常に新しいことにチャレンジする人が大好きです。特に保守的な芸術の世界で既存の価値観や枠をぶち破るようなチャレンジャーはいつでも応援の対象でもあり、その人達が大成することなくとも、そのチャレンジ精神とスピリットには大きな称賛をおくりたいと思います。今日紹介する人もそんな芸術、特にパイプオルガンという楽器の世界を刷新する鬼才です。
斬新な衣装とアイデアで教会音楽を支るパイプオルガンでショパンの「革命」を弾いてしまう天才、キャメロン・カーペンター。数年前から注目を集めているのでご存知の方も多いのではないでしょうか?パイプオルガンは教会に通う人には馴染みがあると思いますが、それ以外の日本人にとってはかなり縁遠い楽器の一つだと思います。バッハを愛する私は、バッハの作品の多くがパイプオルガンなので聞く機会も多いのですが、そうでない人が圧倒的多数だと思います。これ以上説明するよりも実際に彼の演奏を見てもらうのが一番だと思うので、まずは彼を一躍有名にした演奏をどうぞ!!
パイプオルガンで教会音楽以外の曲、例えばショパンのエチュード、スターウォーズのテーマ曲、ディズニーソングなどを弾く彼の演奏は、保守的な人には受け入れがたく未だに賛否両論だそうです。彼が活躍するアメリカの意外な一面ともいえますが、そんなことは気にせずエンターテイナーとして、そしてアーティストとして近年彼のプレイスタイルはガンガン奇抜になっていってます(苦笑)
美しい田園をフルスピードでドライブ。ただし急の雨には要注意 [音楽]
一癖あるカルロス・クライバー版「田園」
クラシック音楽の中でも人気があるオーケストラの曲目の一つに必ずエントリーされるものと言えば、ベートーベンの交響曲第6番「田園」です。通常交響曲は第四楽章までというルールがあるのですが、この「田園」は何故か第5楽章まである変則的な交響曲でもあります。「田園」と聞いてもピンと来ないという人もいるかと思うので、まずはカラヤン指揮の動画でご紹介します。
カラヤンの演奏は今ではスタンダードとして広く親しまれていますが、彼が指揮を振る以前の「田園」は非常にテンポがゆっくりで、カラヤンの軽快な演奏は物議をかもしたそうです。しかーし、今日紹介するカルロス・クライバー版「田園」は、そのカラヤンの演奏を遥かに凌ぐ凄まじい演奏を披露し、観客を圧倒しました!!そんな貴重な演奏が聴けるカルロス・クライバー版の「田園」のCDをご紹介したいと思います!!
これまでに何度かカルロス・クライバーという指揮者を私のblogでも取り上げてきたことからも分かる様に、私はクライバーの演奏が大好きです。その演奏の特徴は滑らかなテンポの調整と時に見せるダイナミックさが混在していて、美しさの中に隠れている激しさを感じさせる個性的な演奏スタイルが好きなんです。ただし彼の指揮のもとで演奏するオーケストラのメンバーは、あまりにも細かい指示とハイレベルな要求に凄く苦労したとか(苦笑)
宇多田ヒカル、新曲「桜流し」を発表!! [音楽]
なんと知らぬ間に新曲がリリースされていました!!
人間活動に専念するため歌手としての仕事を休養中の宇多田ヒカルちゃんが新曲を11月16日にこっそりとリリースしました。タイトルは「桜流し」。新曲のリリースで一気に歌手として復活かと一瞬思ったのですが、どうやら映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のテーマソングとして書き下ろしたそうです。たまたまネットのニュースを見た時に知ったのですが、Youtubeでは既に100万回以上再生されていて、活動中止中のアーティストとは思えない注目度ですね。
久しぶりの曲は美しいバラードです。PVも自然の風景と産まれたての子供をモチーフにしたもの。素朴だけど全ての物に宿る生命力を感じさせる映画の様な完成度の高い物になっています。歌詞も宇多田ヒカルちゃんらしく、気品ある正統派の日本語でリリカル且つ哀しみを漂わせています。正に宇多田ヒカル独特の世界観そのままです。やはり彼女の作品の世界はこうでなくちゃ。映画に合わせて書き下ろしたということもあり、初めて聞いた時は「誰かの願いが叶うころ」に似た印象を持ちました。最近の日本の音楽シーンの質の劣化がかなり著しかっただけに、こういった曲を聞くと安心します。そして改めて早く表舞台に戻ってきてほしいと思ってしまいます。