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最高峰の映画の一本「グラントリノ」 [映画]

報復の連鎖を断ち切る、イーストウッド、最後の西部劇

”俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった、人生の始め方を。”

このキャッチコピーは映画「グラントリノ」のもの。クリント・イーストウッドが監督・主演をした最後の作品で、これ以降イーストウッドは監督業に専念しているので、現在一応彼にとっての俳優業最後の作品になっています。「グラントリノ」は名作と名高い作品なので知っている人も多いと思いますが、私にとっても最高の作品の一つです。

映画の中ではイーストウッド演じるコワルスキーは、頑固で偏屈、周りとの協調を拒み、家族からも鬱陶しがられる孤独な退役軍人で、ある日愛車を盗みに来た隣のアジア人の少年タオとの出会いを通して少年ギャングとの泥沼の報復合戦に巻き込まれていきます。コワルスキーの戦場での記憶と現在の状況で「戦争・暴力」が描かれ、ラストでは「復讐・報復の連鎖」を終わらせるためにとったコワルスキーの”行動”が、不器用な男の生き様と相まって涙を誘います。

グラントリノ.jpg

映画を見るとすぐに分かりますが、タイトルでもある「グラントリノ」はコワルスキーの愛車であり、彼自身と彼が望む世界である「古き良きアメリカ」の象徴。しかしながらそんな時代は去り、自動車産業は日本企業が台頭し、彼と彼の世界は時代に取り残され、一人孤独に生きることしかできなくなってしまった。だからバカ騒ぎをする若い連中も気に食わないし、アジア人に占領されていく街も気に食わないし、とにかく全てが気に入らない・・・。昔を愛するが故に現在を拒絶する・・・いますよね、こういう不器用な生き方しかできない人って。

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ようやく観れました「アウトレイジ」 [映画]

北野武バイオレンス復活!!「アウトレイジ」

ようやく観ることが出来ました、北野武監督の最新作「アウトレイジ」。行きつけのTUTAYAさんでは、常に貸し出し中で、なかなか借りることが出来なかったのですが、先日一本だけあったのを奪取で確保しました。

アウトレイジ [DVD] 観終わった後の感想としては、”バイオレンスに磨きがかかった、北野監督らしい暴力的エンターテイメントだな~”ということ。今回はオフィシャルサイトにも掲載されているように、「下克上」が大きなテーマ。金と権力に取り付かれたヤクザ連中が、上に這い上がる為に手段を選ばず「殺し合い」をし、ヤクザと仲良し警察とも通じながら最後まで生き残る奴が勝利するというデスゲーム。「その男、凶暴につき」に一見よく似ていますが、「その男・・・」にあるような悲しみ等の人間的感情は一切なく、「アウトレイジ」ではバイオレンスのみと、単純明快です。その分余計なことを考えずに見たほうが楽しめますね。

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「SPACE BATTLESHIP ヤマト」観て来ました [映画]

これで良いの?映画「戦艦ヤマト」

本日見てきました、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」こと「戦艦ヤマト」。ヤマトが好きな人、キムタクが好きな人には良い映画だと思います。しかしながら、「戦艦ヤマト」も知らず、キムタクファンでもない私にとっては、残念ながら「今年一番のハズレ映画」でした・・・。

その理由は自分でも分かっていて、スターウォーズをイメージしていたのが失敗の原因だと思います。CGでスターウォーズレベルを無意識に期待していたのが 間違っていました。決して劣っているというわけではないのですが、何かが違うんです。それは演出方法だったりするのだと思うのですが、たぶんそれは何作も SFを作ってきた人達が経験によって得られるものだと思うので、日本で初めての本格的SF映画にそれを求めてはいけませんよね。

そしてストーリーもはっきり言って、完全に先が見える(これが映画では一番ダメなポイント)。いつ敵が襲ってくるのかも分かる(断言)。予想がこんな簡単 に出来て良いの?というほど。隣のおばさんは最後は号泣でしたが、私は最後の最後まで感情移入できませんでした。多分先述したように、戦艦ヤマトファンと キムタクファンには良いかも。

一番良かったのは主題歌のSteven Tylerの「Love Lives」でした(YouTubeのリンクを貼っておきます。)

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オードリーのコックニーにメロメロです [映画]

女の子の永遠の憧れ!「マイ・フェア・レディ」

映画が好きで色々と見た映画の感想をこのblogにも書いていますが、実はミュージカル映画が滅法苦手な私。どうしても突然歌いだしたり、踊りだしたりするのが苦手で、見ていて”サー”っと引いていく自分を感じずにはいられないんですよね・・・。そんな私でもこれまで唯一見ることが出来たミュージカル映画が「オペラ座の怪人」。そしてこの度、新たに最後まで見ることが出来たミュージカル映画がもう一本増えました。それはオードリー・ヘップバーン主演の「マイ・フェア・レディー」です!!

マイ・フェア・レディ 特別版 [DVD] 170分と長い映画ですが、コックニーの酷い英語を話す主人公イライザを演じたオードリー・ヘップバーンの魅力にメロメロです♪とても有名な映画で、ストーリーを説明する必要はないと思いますが、一応簡単にあらすじを紹介したいと思います。

言語学者ヒギンズ教授は、ある日ひょんな出来事からロンドンの下町に住む花売りの娘・イライザを立派なお嬢様に仕立てることになる。言語学者としてのプライドをかけ、4ヶ月間で彼女の酷いコックニー訛りの英語を矯正し、麗しい貴婦人へと変身させることに成功する。そして、ヒギンズ教授と秘密を知るピカリング大佐は、貴婦人へと変身したイライザを社交界にデビューさせるが、彼女の美しさは一同の注目の的に。イライザは花売りから貴婦人へと教育してくれたヒギンズ教授に感謝をしつつも、自分が彼の実験台でしかなかったということを偶然知り、怒りとショックから街へと飛び出して行きます・・・。

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ほのぼのしたい時にお薦め「ユー・ガット・メール」 [映画]

気の効いたセリフと大人のラブコメ

インターネットでメールのやり取りから、実際に会って恋に落ちる。今ではどこでもありそうなことを映画にしたのが「ユー・ガット・メール(You've got mail)」。1998年に公開された映画で、主人公達が利用している回線もダイヤルアップと時代を感じさせる映画ですが、メグ・ライアンとトム・ハンクスによる大人のラブコメディの傑作です。

ユー・ガット・メール [DVD] NYの街角で小さな子供向けの本を経営するキャスリン(メグ・ライアン)。ある日近所に大手のブックストアが巨大なお店をオープンし、そこのオーナーであるジョー(トム・ハンクス)とキャスリンは犬猿の仲に。ジョーの店の影響は大きくキャスリンの店は徐々に経営が厳しくなり、キャスリンはメール友達に愚痴ったりアドバイスをもらったりと、メールを通じて彼に優しさに触れ、淡い恋心を持つようになります。このメールの相手がキャスリン最大のライバル、ジョーだということに全く気付かずに・・・。

ストーリーは実に単純明解。二人とも本屋の経営者ということで、二人のやり取りがとても知的で、その上素敵なセリフが多く、最近のラブ・コメと違ってドタバタしていないのでほのぼのと二人の恋の行方を見守ることが出来ます。

途中から、ジョーが自分のメール相手がキャスリンだということを知るのですが、キャスリンは最後までメール相手を知らないまま。ジョーは自分がキャスリンに嫌われていることを良く知っているので、あえて自分の正体を明かすことなく、キャスリンに引かれながらもリアルな世界ではライバルとしてバチバチと火花を散らし、メールでは彼女をサポートします。

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リュック・ベッソン監督作品のマイベスト [映画]

「凶暴な純愛」

レオン 完全版 [DVD] リュック・ベッソン監督のハリウッド進出映画「LEON-レオン」。私にとって、大好きな映画の一つであり、時々無性に観たくなる映画の一つです。バイオレンス映画にカテゴライズされるみたいですが「ユーモアと情熱、そして愛情が複雑に絡んだラブストーリーでもあり、またダークヒーローのアクション映画」でもあるのかなぁと思っています。毎回観る度に号泣です。劇場版は何度か見ているのですが、今回初めて完全版を観たので、レビューを書くことにしました。

登場人物は、寡黙な殺し屋(自称、掃除屋)レオンを演じるジャン・レノ。麻薬捜査官に家族を皆殺しにされたマチルダにナタリー・ポートマン。そしてマチルダの家族を皆殺しにした薬中麻薬捜査官役にゲイリー・オールドマンです。悪役を演じると最高に演技が活きるゲイリー・オールドマンですが、この映画でも二枚目にしてイカレタ演技が最高に光ってましたよ(苦笑)

物語は実にシンプル。家族を殺されたマチルダが同じフロアに住んでいたレオンに危機一髪のところを助けてもらい、弟を殺された恨み(その他家族はどうでも良い)を晴らすべく殺しの方法を教えてもらい、敵を討とうとするものの失敗。最後はレオンが彼女に代わって敵を討つというものです(思い切りネタバレですね、すいません)。しかしながら、このシンプルな物語の中に、レオンとマチルダの親子とも恋人ともいえない不思議な関係性と感情があり、物語を高尚に更に深いものにしています。

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武監督の真骨頂「アウトレイジ」公開 [映画]

「アウトレイジ」解禁

日本が世界に誇る映画監督の一人、北野武監督の最新作「アウトレイジ」が6月12日に上映が始まりましたね。今回は、北野武監督の原点ともいえるバイオレンス物。久々にヤクザの世界を描いた作品です。北野ファンの一人としては、「待ってました!!」の一言につきます。なるべく劇場で公開されているうちに観に行きたいのですが、ちょっと無理っぽい感じなんですよね~(涙)

今回の「アウトレイジ」のキャッチコピーは「全員悪人」。最高です。「その男、凶暴につき」や「ソナチネ」テイストを待っていたファンにとっては、待望の新作ですよね。出演者もこれまた豪華。日本を代表する俳優さんが出演してますし、なんと言っても目玉は、爽やかなイメージの三浦友和さんが、相当悪い奴を演じていることかと思います。あの爽やかで穏やかなルックスからは想像も出来ませんが、「ソナチネ」の世界がそうだった様に、三浦さんが悪役を演じると、背筋がゾッとするような抑えた狂気みたいなものを感じさせてくれるのかなぁと期待しちゃいます。

「HANA-BI」や「Dolls」、「座頭市」に「TAKESHI'S」など、暫らくバイオレンス物から遠ざかっていた監督の待望の新作に、私の周りの武ファンもかなり盛り上がっています。今回は監督の初期の映画に観られた青みがかった色(通称「武ブルー」)や、セリフの少なさ(これまでの映画はセリフが少なめ)は、みられないみたいですが、とにかく観たい一本。期待大です。もし、見てきた方がいらっしゃったら、是非感想をコメントくださると嬉しいです。

噂では、高倉健さんが次回の北野武監督作品に出るという噂が・・・真偽の程は分かりませんが、そうなると当然次回作もバイオレンス物?高倉健さんが北野武監督作品に出るというだけでも、日本映画界ではビッグニュースですよね。

ちなみに、先日たまたま見ていた番組で、武さんが「自民党の大島幹事長に、是非出演してもらいたい。あの顔はヤクザのトップとしての貫禄があって最高だ」と絶賛していました。なるほど、確かに日本の政界なんでヤクザの世界以上にヤクザな商売でしょうから、長くいると自然と風格が出てきて、その筋でも通用するものになってくるのかもしれませんね(笑)大島幹事長、議員を引退したら、芸能人ならノーギャラでも出演したいと言わせる武監督の作品に出てみるのも十分に検討する価値があるんじゃないでしょうか?結構、いけると思いますよ(笑)


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私好みストレートど真ん中の映画「バタフライ・エフェクト」 [映画]

名作中の名作「バタフライ・エフェクト」

「もし、あの時、別の選択肢を選んでいたら、どうなっていたのだろうか?」
誰もが一度は思ったことがあるはずの疑問を、アシュトン・カッチャー主演で映画化したのが「バタフライエフェクト」です。

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション [DVD] 主人公エヴァンは、小さい頃から記憶の一部を失う症状があり、その予防策として日記を欠かさず書いている。ところがある日、幼馴染であり大切な存在であったケイリーの人生を狂わせてしまう事件が起こり(その事件が思い出せないが)、母親と遠くの町へと引越すことになり、ケイリーをひたすら思いながら青年へと成長する。大学生になったエヴァンは記憶障害はなくなったものの、ある日、自分の日記を読み返すことでその地点(過去)に戻ることが出来る能力に気付き、ケイリーの人生を変えてしまった時点まで戻ってケイリーを救うことを決意する。しかし、誰かを救うと誰かが不幸になるという、自分の思い通りに行かない現実に直面し、エヴァンは自分が愛する人達全員が幸せになる未来を得られるまで、何度でも過去に戻り人々の未来を変え続けていくことを決意する。君を救うためならば、何度でも僕は過去に戻る・・・。

この”周りの人達全員が幸せになるまで何度も何度も過去を変え続ける”というエヴァンの執念の時空移動の物語は、何が起こるか全く予想出来ず、最後まで画面に釘付けになること間違いなしです。途中かなり悲惨な展開になっていくこともありますが、そこを含めても過去を変えるという禁忌の代償がどんなものであるかを、それに立ち向かうエヴァンの姿を通して感じることが出来ます。

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素晴らしき哉、人生!! [映画]

まさにタイトル通り、素晴らしき哉、人生!!

皆さん、ゴールデンウィークのお休みも残り一日ですが、いかがお過ごしですか?私は今年のゴールデンウィークも、見逃してしまった映画をひたすら観ています(苦笑)これまでのところ、今回の連休中に鑑賞した映画は10本強。素晴らしい名画から話題の駄作まで色々あり、充実した連休になっています。そんな中で、久しぶりに元気が出る名画にめぐり合うことが出来たのでご紹介したいと思います。

素晴らしき哉、人生! [DVD] アメリカのクラシックフィルムの名作にして、未だに多くのファンを持つ映画「素晴らしき哉、人生!」です。公開は1946年。第二次世界大戦が終戦となった翌年のクリスマスの時期に公開された映画で、人生がいかに素晴らしいかをストレートに描いた名画です。ストーリーは・・・、

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名画探しの助っ人、シネマハンドブック [映画]

お手軽映画ガイドブック

先日、常連のTSUTAYAさんのレジ横に2010年のシネマハンドブックが置かれているのを発見、300ポイントで一冊交換ということだったので、早速一冊貰ってきました。

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膨大なタイトルがある映画ですが、やはりどれから観たら良いのか迷いますし、見慣れない作品などにチャレンジする時は、良いアドバイスとなるガイドブックがあると参考にもなりますよね。特にクラシック映画は、こういうガイドブックに紹介されていると借りてみようかな、という気持ちになりますよね。

ただ、このTSUTAYA製ハンドブック、年々薄くなっている気がするのは私だけ?一昔前はかなりのボリュームで紹介されている映画もかなりの数があったんですが、景気を反映してか、かなり薄くなってきていますね・・・こんなところでまで不景気を感じるとは悲しい限りです(涙)

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