あれは絶対にやってはダメなミスですね F1モナコGP

ハミルトンが不憫です・・・

長いF1シーズンの中で最も歴史と伝統があり、そして何より華やかなグランプリと言えばモナコGPです。美しい初夏のモンテカルロ市街地コースを駆け抜けるレースと、王室主催という華やかさで常にヨーロッパラウンドの華のグランプリが週末に開催されました。

予選が全てを決めると言っても過言ではない”オーバーテイク不可能コース”であるモナコのフロントローはいつものメルセデスの2台が独占し、レースもそのままの流れで進みました。ところが今回は絶対にしてはいけない戦略ミスをメルセデスチームがしてしまい、トップを独走してたハミルトンをセーフティーカー導入中にピット呼び戻すタイミングを間違えて1位から3位に陥落させるというとんでもないアクシデントがありました。これは見ていてハミルトンが不憫でした・・・。この悪夢のストラテジーミスによって優勝が転がり込んできたのが同じメルセデスのロズベルグと何とも皮肉な結果になり、3年連続でモナコを制するという史上4人目の快挙達成です。2位はこちらも棚ボタでフェラーリのベッテル。3位が運に見放されたハミルトン、4位がレッドブルのクビアト、5位が同じくレッドブルのリカルドと、久しぶりにレッドブル勢が活躍しました。一方上位常連チームであるウィリアムズは予選から大不調。レース本戦も全く調子が上がらず最悪のグランプリとなりました。これでドライバーズタイトル争いのハミルトンとロズベルグのポイント差もたった10pとなりました。

レースを見ていた人全てがもやもやした感情を持ったままの消化不良気味のレースとなってしまった様に、表彰台でのハミルトンはお通夜状態。「勝つ時も負ける時も常にチームと一緒」とチームを擁護する発言で大人の対応をしました。あまりのショックからインタビューもパスするのではないかと思いましたが、暗い表情ながらもインタビューに答えていましたね。モナコGPはハミルトンも言うようにF1ドライバーにとってモナコは特別なレース。本当に勝ちたかったんでしょうね。この湿った表彰式を最後にベッテルが上手く盛り上げて締めくくりましたが、ハミルトンにとって生涯忘れられないレースとなったことでしょう。

レース全体の見てみると嬉しいニュースはマクラーレンホンダのバトンが入賞し4ポイントを獲得したことでしょう！マクラーレンホンダとして今季初ポイントゲットです。ですが喜べないのも事実でアロンソのマシンには予選からトラブル続き。本戦でもアロンソはリタイアとなり、ギアボックス系と前回のスペインGPでも出ていたブレーキ系のトラブルでリタイアと残念な結果になりました。相変わらず信頼性が低さが大きな問題の様です。かつてのマクラーレンホンダはモナコで負けなしだったんですがね・・・。

ハミルトンにとって最悪の事態を齎したきっかけはフェルスタッペンとグロージャンの接触事故でした。この事故でフェルスタッペンのマシンの撤去に今シーズンから採用された「バーチャルセーフティーカー」が導入されました。導入中は全ての区間で減速が求められるので、一気にレースペースが遅くなりドライバー達の安全確保に役立つことが証明されました。フェルスタッペンの事故はその後実際にSCが入りましたがモナコの様な安全確保が難しいコースではバーチャルセーフティーカーの存在がドライバーの安全を更に確実にしてくれるでしょう。ここでメルセデスはハミルトンのピット作戦のロスタイムの計算を間違えたのですが（汗）。フェルスタッペンも無事の様で何よりです。

最後に私の愛するフェラーリですが、相変わらずモナコの青い空と青い海、そしてあの華やかな街には良く映えます。2台とも始終追い掛け回されているという格好良くない展開でしたが、ベッテルも棚ボタ2位で何とかメルセデスの後ろの2番手を維持しています。一方のライコネンは冴えない走りでいまいちでした。どうも明暗を分ける2台になっていますね。最近は懐事情まで心配されていたフェラーリですが、フィリップモリス社とのスポンサー契約も更新されてこれで安心して開発にお金を注げそうですね。しばらくコンストラクターズを狙うのは無理とは分かっていても万年2番手もつまらないので、かつてのアレジ・ベルガーの時の様に派手に走って派手に終了、なんてレースも見てみたいのもファン心理です。

今回のロズベルグの優勝で、彼はモナコマイスターの称号を手にしました。偉大なレーサーの仲間入りです。

G・ヒル、A・プロスト、A・セナ、M・シューマッハ、N・ロズベルグ

最後だけ激しく見劣りするので、この歴代の勇者達に負けない今後の活躍に期待したいと思います。