チャンピオンになってもアクセル全開 F1アブダビGP

ベッテル快走、トワイライトレースも制す!!

長いF1も残り3戦となったアブダビGPが日曜日に開催されました。アブダビGPは同じ中東でも砂漠のど真ん中＆政治情勢に不安を抱えるバーレーンGPとは違い、一大テーマパークの中にあるコースで、フェラーリのミュージアムが隣接していることでお馴染みのヤス・マリーナ・サーキットで開催されています。レース自体も夕刻に始まり夜に終わるというトワイライトレースで、ミーハーな私は結構お気に入りのグランプリです。砂漠に沈む夕日の美しさとレースのエスケープゾーンの水色がポイントですね（笑）。

前回のインドGPでベッテルのワールドチャンピオンとレッドブルのコンストラクターズの優勝が決まり、事実上の消化レースではありますが、そんな素振りは一切なく、今回もレッドブル勢は全力の走りを見せてベッテルが圧倒的な速さで優勝し、2位にはチームメートのウェーバーが入り、3位はメルセデスのロズベルグでした。今回もベッテルはドーナツターンを披露。前回の反省を活かしてか、しっかりとコースの外でドーナツターンをして、その後しっかりと車を所定の位置に戻したので今回はお咎めなしです。アブダビGPをはじめとする近代コースの特徴の一つにコース幅が広く、それに伴い完走率が高いという特徴があり、今年のレースでもリタイアは1台だけと非常に完走率が高かったです。しかしながらその1台がスタートで他のマシンと接触したロータスのライコネンと、予選に引き続き不運に見舞われリタイアとなりました。

ライコネンは前回のインドGP前からチームと支払いをめぐって争っており、来年ロータスを離れることもありこの問題をめぐってF1界のちょっとした騒動の主役になっています。資金調達に苦しむロータスがライコネンに今年の給料を1円も払っていないという衝撃的な事実が発覚し、支払わないなら残りのレースには来ないとライコネンが発言（当然ですね）。今回のアブダビGPにも木曜日には姿を見せず、一時はどうなるかという状況になったそうですが、一応レースには参加してドライバーとしての仕事を粛々としていました。レースのスタートでリタイアとなったので、その後はビーサンを履いてレース序盤で早々にお帰りになりましたが、残りの2戦にライコネンが来るのか心配です。しかしながらロータスはライコネンやメカニック達にも給与未払が発生している状況ながらも、チームは「今年の最後に払うんだからライコネンの態度は間違っている」と強気で発言してくるところがいかにもフランスっぽいですよね（汗）。お給料払ってない方が正当性を主張して、”お給料払ってよ”と言ったドライバーが悪人扱いですから、私の中のロータスは相当ブラックな企業のフラグが立っています・・・。やはりF1の世界って色々な意味で凄いですね（汗）

さて、私の愛するフェラーリは現在メルセデスを相手にコンストラクターズ2位をめぐって熾烈な争いを展開しています。しかしながら肝心のアロンソは明らかな戦略ミスで思ったよりも上に行けず5位入賞。予選が11番手からのスタートだったことを考えれば上々の出来なんでしょう。そして今回キラリと光る走りを見せたのがマッサです。最後のタイヤチョイスにミスがあったものの、レースではズバッとためらいなく他のマシンを抜き去るアグレッシブな走りを披露してくれ、最後は8位入賞です。チームラジオでも気持ちの良いオーバーテイク後に「I like(loveだったかな？) that」と絶賛無線が飛んでましたね。マッサも来年のシートが決まっていないだけに、ここで光る走りを見せて是非来年のシート獲得に向けたポジティブな要素にして欲しいです。

それにしても、最近のフェラーリの低迷っぷりは心からフェラーリを愛する私としては辛いです。魅せるシーンもなければ光るドライビングも無いという全く存在感のないチームになってしまっている上に、コンストラクターズ2争いもメルセデスにほぼ決まりかけている状態ですし、ここから挽回するとなると残りの2戦でアロンソ、マッサ2人で表彰台に登らないといけないかなり厳しい状況です。チームは完全に来年に向けた開発に主力をおいているので残り2戦でアップグレードされることもないので、このままズルズルとメルセデスに差をつけられて終了という形になりそうで怖いです。なんとしてもコンストラクターズ2位を獲得すべく頑張ってもらいたいです。

2013年シーズンも残りはアメリカGPとブラジルGPの2戦となりました。色々な問題を抱えている2013年のF1サーカスがどんな幕引きとなるのか楽しみにしたいと思います。