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ビル・エヴァンス「Alone again」 名盤「Alone」の続きのCD [音楽]

名盤の続きもまた名盤「Alone again」


Alone Again久しぶりの音楽ネタです。取り上げるのは私が大好きなJazzピアニスト、Bill Evans(ビル・エヴァンス)の「Alone again」です。タイトルに"again"とある様に、先にリリースされたピアノソロCD「Alone」の後継作品になりますね。「Alone」は1968年に録音されているので、1975年に行われた「Alone again」の収録まで約7年の歳月が流れています。両方に共通して言えるのは3日間で録音され、どちらのCDも素晴らしいジャズのピアノソロ作品であるということです(「Alone」のレビューはコチラ!!)

一般的な評価では前作「Alone」の方が高い評価を得ているのですが、私はこの2作品どちらも甲乙つけがたい名盤だと思っています。ただ、エヴァンスの持ち味であるクラシックで磨いた正確な演奏技術と内省的で孤高なピアニストの演奏、という観点からみると「Alone」に軍配が上がります(なんせグラミー賞受賞作ですしね)。しかしながら「Alone again」という作品は”リリカル一辺倒”ではなく、ある種ピアノを弾く楽しさや明るさを感じることが出来る作品で、いつもエヴァンスの作品に漂っているどこか哀しみや孤独の色があるソロ作品が多い中で、この作品はある意味ちょっと特殊な一枚だと感じています。それでは、オープニング曲の「The touch of your Lips」をどうぞ!!


曲の初めの美しさはビル・エヴァンスが持つ魅力がギュッと詰まっていますねぇ。実はこの曲、Tony Bennett(トニー・ベネット)との共演で素敵な歌詞がつけられ、トニーの素晴らしい豊潤な歌声にエヴァンスが伴奏するという奇跡のコラボレーション演奏があります。こちらもジャズファンなら見逃すことが出来ない作品になっています。

「Alone again」の収録曲は全部で5曲。どれも7,8分ばかりの長めの曲が多く、最後の「People」は演奏時間13分越えの大作になります。どれも良い演奏ですが、特筆すべきはやはり5曲目の「People」です。この1曲だけでもこのアルバムを買う価値があるというものです。前の4曲で明るくピアノの音色と踊るような演奏を堪能した後にくる、エヴァンスの抒情的な演奏が豊かなメロディと力強いタッチ、そして囁くようなタッチと音色で入れ替わり立ち代わりできます。孤独な感じではなく、穏やかな秋の陽だまりにいるような暖かさがある印象的な曲でこの「Alone again」は終わりをむかえます。

ただし問題点が一つ。このCD、やはりデジタルリマスターの仕事がいまいちなのか、私の音楽の友ことヘッドフォンSENNHEISER(ゼンハイザー)”HD650”で聞くと、少し荒があるように感じてしかたがありません。音源の問題なのか「Alone」もHD650だと音質が悪いことが分かるんですが、これと同じ現象が程度は違えど「Alone Again」にも起こっていて、折角のエヴァンスの演奏が勿体なく感じて残念でなりません・・・。HD650でピアノの演奏を聞くと通常かなり音の奥行きを再現してくれるんですが、高音は納得なんですが低音が力不足のような。「Alone」同様「Alone again」も音の奥行きが浅く感じます・・・。私の耳がおかしいだけなら良いのですが・・・。

少々難点はあるものの、ビル・エヴァンスの名盤「Alone」に劣らない「Alone again」、こちらも非常におすすめです。ジャズの初めのピアノソロ作品なら「Alone」を、そして「Alone」が気に入ったら「Alone again」をお勧めします。この2枚、ジャズ好きでピアノ好きなら必ずセットで持っていると思うので、気になった方は是非お店で視聴してみてください。オススメです。

Alone Again

Alone Again

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ojc
  • 発売日: 2006/11/23
  • メディア: CD

Alone

Alone

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Jazz
  • 発売日: 2005/09/22
  • メディア: CD

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