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軽やかに踊る音でクールなジャズの名盤「Time out」 [音楽]

軽やかなジャズの名曲「Take Five」も入ってます

Jazzの世界は個性的なプレーヤーが集まって己の技量と個性を競いながら演奏を磨いていくパターンが多く、同じ曲、メンバーの別テイクを楽しむのもジャズの醍醐味かと思います。特に都会的な東海岸(ニューヨーク等)の音楽は薄暗い地下で演奏していたエネルギーが内にこもり、それを爆発させたかのような演奏は緊張感もあってジャズの良さを感じさせます。しかしながら、いつも聞くのに緊張感が求められてばかりだと疲れてしまうのも事実。そこで今日はこれまで紹介してきたジャズとは一味違った、西海岸(ウエストコースト)のジャズをご紹介します。

1960年頃の西海岸で活躍していたジャズマンは白人が主流で、音楽も個性がぶつかるような演奏よりも軽快なアンサンブル主体です。特に音が軽やかなのは西海岸の解放感が影響しているのか、クールでフリーなサウンドは明らかに東海岸のジャズとは違います。そしてちょっと音楽性に凝っていて、技巧的。そんなウエストコーストジャズの代表で超有名な曲がThe David Brubeck Quartet(ザ・デイブ・ブルーベック・カルテット)の「Take Five」です


誰もが一度は聞いたことがある名曲!


Time Outこの「Take five」はアルバム「Time out」に収録されていて、変調子と呼ばれる聞く人が少し違和感を感じさせる調子(5拍子)で作曲されています。アルトサックスのポール・デズモンドの甘くクールビューティーな音がこれまた素敵で脳裏に残るんですね~。日本でもこの頭に残る不思議な音の効果を期待してか、多くのシーン(CM等)で今でも使われています。変調子は使い方が難しく、音楽、特に作曲の基礎がしっかり出来ている作曲家でないと使いこなすことは出来ません。そして少しでもセッションでミスる取り返しがつかない失敗になる危険性も高いので演奏する側にも高い音楽に対する理解を求められます。まさに「Take five」は変調子を上手く使った曲のお手本として最高の作品だと思います。そして同じく「Time out」に収録されている「Blue Rondo A La Turk」も変調子の名曲です。


途中で4拍子が挟まり、曲の雰囲気が一変します

出だしの細かい音を丁寧に刻んでいくことによってちょっとした緊張感で聞き手をとらえ、その後リラックスしたテンポへと移りゆったりとした気分の良いリラックス感を出しながらもどこか緊張感がある、そんな曲です。私は「Take five」も好きですが、ダイナミックさを持った「Blue Rondo A La Turk」の方が好みかな。


一生モノのジャズ名盤500 (小学館101新書)

魂がぶつかり合う熱いジャズに少し飽きてきた時は少しテイストを変えて、クールでちょっと変わった一枚があると箸休めにもなって良いかと思います。コレクションの幅も増えますしね!私がジャズを聴くうえで参考にしているジャズの水先案内人、後藤雅洋さんの「一生モノのジャズ名盤500」の中でも”白人たちのジャズ”編の秀逸な4作品の中に選ばれています。アルバム後半に収録されている曲はどれも緊張レベルが下がり「Take five」の様な曲よりも、よりメロウで聞きやすいクールな美曲が並んでいます。ビル・エバンス好きなら多分この雰囲気も好きだと思います!肩の力を抜いて聞けるので作業用BGMとしてもおススメですよ。

アルトサックスというと、熱い演奏でお馴染みのキャノンボール・アダレイの演奏も良いですが、この「Time out」でキャノンボール御大と真逆の都会的な甘さとどこか余裕を感じさせるプレイを披露しているポール・デズモントも魅力的です。同じ楽器でも演奏する人が変わるだけで音色が変わって実に面白いです。知性を感じさせるクールなジャズの名盤として「Time out」を自信をもっておススメしたいと思います。名盤です。

Time Out

Time Out

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1997/03/27
  • メディア: CD

一生モノのジャズ名盤500 (小学館101新書)

一生モノのジャズ名盤500 (小学館101新書)

  • 作者: 後藤 雅洋
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/08/02
  • メディア: 新書

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